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なぜ美容室はオーナー一人勝ちなのか?

なぜ美容室はオーナー一人勝ちなのか?
プレジデント9月26日(土) 10時 0分配信 / 経済 – 経済総合
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20090926-00000001-president-bus_all
スタイリストは、もっと給与を貰ってるかと思ったら、
そうでもないんですね。
従業員との収入格差については、
それくらいあっても別にいいと思いますが、
あまりにも美容師全体の給与が低いのにビックリしました。
せめてもう少し給料上げてやってもいいんじゃないでしょうかね…。
■従業員との収入格差は4.9倍
 薄くなった髪の毛を気にしつつも、「どうせカットするなら美容サロンで」という中年オジサンが密かに増えている。全国理美容製造者協会の「サロンユーザー調査2008年度版」によると、髪のカットは美容院だけという男性の割合は、20代で48.9%、30代で22.9%、何と40代でも13.7%になっているのだ。
 美容室でカットやシャンプーをしてもらえば、6000円か7000円はかかる。ついでに白髪染めもと思うと1万円札1枚では足らない。さぞかし美容室は儲かって仕方がないだろう。そういえば、田谷、アルテ サロン・ホールディングスなど株式を上場する美容室まで現れ始めたっけ。そうした中で生まれてきたものが「美容室はオーナー一人勝ち」という伝説だ。
 果たして、その伝説は真実なのか、田谷の08年度の有価証券報告書を紐解いてみよう。同社の従業員、1764人の平均年間給与は290万8808円。平均年齢は27.3歳。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」で25.29歳の高卒の平均年収は375万円だから、それを80万円以上も下回っている。
 そこで気になるのが役員の収入だが、役員報酬の額は「1億7218万円」とある。役員は12人いるので、その平均額は1435万円。つまり、従業員と比べて4.9倍もの高額所得を懐に入れているわけだ。それに役員賞与が加われば、その格差はさらに拡大する。伝説は、俄然、真実味を増してきた。
 さらに美容室オーナーの儲けのカラクリを解明するため、都内に五つの店舗を構える美容院で働く佐藤香織さん(仮名)と竹内由紀子さん(同)に話を聞いてみた。スタイリストで丁寧な仕事が評判の竹内さんを指名するオジサマも多い。また、佐藤さんは竹内さんより半年早く勤め始めたこともあり、一足早く店長さんに昇格している。
 調理師と同様、美容師の世界は徒弟制度で成り立っている。新人の仕事は、カットした髪の毛の掃除、タオルの洗濯といった下働きからスタート。初めて客の髪に触れるのは、入店から3カ月くらい経ってシャンプー係になってから。「でも1日何10人ものシャンプーをしていれば、手が荒れてくる」と佐藤さんはいう。
 当然、そんな下働きだけでは、肝心要のカットの腕は身に付かない。そこで午前10時から午後8時までの開店時間の前後2時間ほど、人形のモデルを使ったカットの練習を行う。片づけを終え、コンビニで弁当を買ってアパートに着く頃には、時計の針が12時近くを指している。
「当時の初任給は17万円。兄と一緒にアパートに住んでいたので、なんとか生活していけた」と竹内さんはいう。そんな彼女たちの精神的な支えは「1日も早くスタイリストになって、お客を取れるようになること」だった。
 ちなみに店のオーナーは50代の元美容師の男性。2年前、閑静な住宅街に立派な一軒家を建てた。愛車はベンツで、モデルチェンジごとに乗り換えている。「数年前にその車が故障して走らなくなったと聞いて、思わず笑ってしまった」と二人は顔を見合わせる。
■8割が半人前で脱落する厳しい現実
 それでも二人は、まだ恵まれているほうなのかもしれない。元美容師の小塚和幸さん(仮名・36歳)は「15年前に美容師になったときの初任給はわずか13万円。年収ベースで150万円ちょっと。親から仕送りしてもらって食いつないでいた」と憤る。でも、給与をもらって修業させてもらっている身では文句をいいづらい。
 かといって、一人前のスタイリストになっても、処遇が大幅に改善されるわけではない。店長である佐藤さんの現在の年収は300万円ほど。竹内さんにいたっては260万円にすぎない。芸能人からご指名がかかり、年収1000万円以上を稼ぐような“超カリスマ美容師”は数えるばかりなのだ。
 結局、こうした“蟹工船”のような労働環境に嫌気がさして、途中で挫折してしまうケースが後を絶たない。小塚さんは「美容専門学校の同期だった仲間の8割はスタイリストになる前に辞めていった」と指摘する。
 美容室の世界は不思議なもので、それでは下働きのスタッフが不要なのかというと、そうでもないのだ。単純な話、超カリスマ美容師がたった一人でやっている店があっても客は寄り付かない。何人ものスタッフに囲まれながらサービスを受けることで客は満足感を得るものなのだ。それゆえ、彼らを引き留める“装置”が必要になる。
 小塚さんにいわせると、「その一つがチェーン展開などによる多店舗化」だ。もし「辞めたい」といってきたスタッフがいたら、「新規オープンする店にいけば気分転換にもなるし、違う店長や先輩から技術を学ぶこともできるから」といった慰留工作ができる。
 そうやって、一定水準の技量を身に付けたスタイリストと新人スタッフに現場を任せていけば、トータルの人件費は少なくて済む。それに伴って損益分岐点が下がり、オーナーがすする上澄み部分の利益がどんどん膨らんでいくカラクリなのだ。どうやら伝説は、「多店舗化しているオーナーなら」という条件がついたときに、現実のものとなるようだ。
 このことを裏付けるデータが別掲のグラフだ。一店舗のみのオーナーの場合、月収49万円以下が全体の6割近くも占める。逆に複数店舗のオーナーは100万円以上がほぼ6割。さらに180万円以上も1割近くいるのだ。
 佐藤さんと竹内さんの夢は「自分の店を持つこと」。少ない給与をやりくりしながら、毎月コツコツと貯金している。そんな健気な話を聞くと床屋派のオジサンも、美容院に行ってみようかなという気になってしまう。頑張れ、未来のカリスマ美容師!

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